人財戦略

当社にとって価値創造の中核であり、最も重要な資本は「人財」です。「人財」の成長が、事業の持続的成長とあいまって企業価値の持続的成長を実現していきます。
成長を支える人財の採用を強化し、自律的に成長し、能力を発揮していけるための環境を整備していくことを人財戦略の基本的な考え方としています。

ビジネスを支える人財:キャリア型人財

独自の「キャリア型人財」という考え方

当社として求める人財について、独自の「キャリア型人財」という類型を設定し、従業員にその価値観を共有し、育成に注力しています。

「キャリア型人財」とは

従業員一人ひとりが、自身が自身の経営者であるというキャリアオーナーシップを持ち、自身でキャリアをマネージし、社会に高い価値を提供し続け企業価値向上に貢献する人財を「キャリア型人財」としています。

❶自身のライフ・キャリアのオーナーシップを持ち

❷ワーク・キャリアの能力(「経営力」と「専門力」)を

❸当社の環境を活用し向上することができ、

❹プライベート・キャリアと統合(ワーク・ライフ・インテグレーション)しながらも、

❺自身のワーク・キャリアも自律して築き積み上げ

❻ユニーク性を持つ(自身ならではの持ち味がある)人と定義しています。

経営力

❶自らを経営者に置き換え、何が必要かを模索し、 必要要件への適合に向けて、責任を持って誠 実に遂行できる力
❷自らのキャリアを開発するだけでなく、他者 のキャリアの開発についても支援できる力

専門力

❶特定の実務に関する専門性を通じて自身の顧 客ニーズを満たすために、多様な視点を持ち つつ責任を持って誠実に遂行できる力
❷特定の実務に関する専門性を自ら習得するだけで なく、他者の専門性向上にも支援できる力

経営力向上に必要な4要件

当社では、「キャリア型人財」は、自らのキャリアのオーナーシップを持つ人財、つまり自身を自身の経営者と見立てた人財であると考えています。当社として経営者に必要な要件と定めている下記4要件の力を向上させることが、キャリア型人財としての成長につながるものと考えています。

❶企業使命の具現化力…【 Vision】

  • 中長期の視野で持続性のある高島ならではの存在価値を明らかにし、革新を自らリードし、継続的に企業価値を向上する能力

❷進化適合力…【Design】

  • 常に学びながら事業を創造する能力(デザイン力)VUCA環境変化対応力持続性のあるビジネス・組織構築及び人財登用・育成能力

*Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字

❸誠実一筋…【Integrity】

  • インテグリティ・高潔さ社内外からの信頼・信用力トップとして経営責任を負う度量・決断力

❹企業全体のベクトル結合力…【Communication】

  • 個々の多様性を理解・尊重した傾聴力・共感力・論理性・分析力・深い洞察力・デジタルテクノロジー活用力・グローバル対応力

あるべき状態の整理と成長支援体制の発足

キャリア型人財を構成する要素(人財と環境)を「あるべき状態」として整理し、従業員の成長を支援していくための委員会を発足しました。

あるべき状態の整理

当社は、最も重要な資本である人財が「キャリア型人財」(求める人物像)へと成長することを支援していくため、「人財区分マップ(当社における「経営力」と「専門力」を軸に数値化し区分した人財のイメージ)」を明示し、従業員が主体的に自身のキャリアビジョンを描ける環境を整えています。自らのキャリアオーナーシップに基づきキャリアプランを策定し、上司による伴走支援のもと、自身のキャリア実現を目指すことができます。
この度、当社におけるキャリア型人財への成長を推進していくため、スキルやマインド(人財要素)と、成長を支える当社の制度や風土(環境要素)の両側から「あるべき状態」を整理しました。事業の持続的成長を担う「基盤人財」を育成していくための「成長支援体系」を整備するとともに、企業価値の持続的成長を実現し将来の経営を担う「次世代経営人財」を輩出していくための「体制の構築」を進めています。

 

 

人財区分マップ

  ト ノ イチョウ ヲ ンガエル インカイ

人の成長を考える委員会(通称:ヒセカイ2050)の発足

【目的】
中期経営計画における人財戦略を促進していくため、2025年4月1日に「人の成長を考える委員会(通称:ヒセカイ2050)」を発足させました。ヒセカイ2050は、組織全体のパフォーマンス向上や効率化を実現するために従業員の成長を定型的にサポートし、従業員のモチベーションやエンゲージメント向上に寄与するために組織の成長と当社が求める人財の定着に貢献する仕組み作りを実現することを目的として活動していきます。

 

【構成】
(1)正規委員:各本部の上席執行役員、及び経営統合本部の各統括部長
(2)特別委員:社外取締役、内部監査統括部長、及び委員長が必要に応じて招集する者
(3)委員長 :正規委員の中から互選により選出
(4)副委員長:委員長が正規委員の中から指名し、任命
(5)事務局 :人事統括部内

 

【役割】
ヒセカイ2050は、研修・各種施策等が人財戦略に合致し、かつ人財成長に通じるものとして実施されているかを確認検証し、研修等の持続性の確保と再現性ある人財成長を体系的・標準的に維持できるように支援していきます。

人事制度

2021年4月から新たにスタートした人事制度

本制度の特色・特徴

等級制度

従業員が自身のキャリアビジョンを描くことができる仕組み

評価制度

評価に対する納得感と育成効果の高い仕組み

給与制度

従業員の貢献意欲・成長意欲を刺激する処遇

教育制度

従業員が計画的に能力開発できる仕組み

各制度における主要施策

等級制度 

  • 等級ごとの役割定義と、役割を果たすために必要な行動要件の明示
    →行動要件は、「攻め」「守り」「育成」の型に区分。⇒高島の流儀「3つの型」
     自身の強み・弱みを可視化
  • 従業員自身によるキャリアデザインが可能とする、標準キャリアモデルの設定
  • 従業員の能力やキャリア開発に報いる、等級別行動要件に基づく評価・昇格審査

評価制度 

  • 評価者・被評価者双方が理解しやすい評価フレーム設計
  • 評価会議等の実施による評価品質の担保

給与制度 

  • 短期的な成果とプロセスを評価する「成果評価」
    中長期的な社員の行動を評価する「人事考課」を軸とする評価体系の設計
    ⇒短期・中長期での貢献を評価し合理的な処遇を実現

教育制度 

  • 等級ごとの行動要件に応じた能力開発を可能とする、段階的な研修・教育体系の設計
  • 多様な教育手法と研修テーマによる充実した研修コンテンツの提供

教育的アプローチのための「3つの型」

持続的成長企業を目指すための教育的アプローチを体系化

攻めの型

『開発提案力』『複合完結力』により

付加価値を提供

お客さまにとってのニーズを先取りしたソリューション提案を行う「開発提案力」、お客さまが必要とするバリューチェーン上の機能を提供することで単なる商品提供からソリューションサービス提供へと進化させる「複合完結力」をもって、高付加価値を生むという枠組み

守りの型

 “攻め”に注力するために

合理的なリスク管理手法の構築

自律的リスク管理・内部管理を自律的に構築する仕組みを、属人性を排除し、俯瞰性と網羅性をもった形で構築し、組織的に攻めの型に注力できる体制を構築するという枠組み

育成の型

攻めの型、守りの型を

実行する後継者の育成

OJTや活動のフィードバックを通じて、攻めの型、守りの型の考え方を社内に浸透させることで個の成長に繋げつつ、攻めの型と守りの型の実行者を育成するという枠組み

研修・教育体制

等級定義で求められる行動発揮ができるように、等級別に能力開発を行います。