当社は、中期経営計画「サステナV(バリュー)」(2024年3月期~2026年3月期)」において、利益成長×資本生産性向上を実現し企業価値を向上することを基本方針に掲げ、連結KPIとして2026年3月期の売上高1,100億円、営業利益26億円、当期純利益19億円に加え、資本収益性指標として ROE 8%以上、ROIC 6%以上の目標を定めています。
また、資本コストとして株主資本コストとWACC(加重平均資本コスト)を設定し、資本収益性の達成度を評価・検証しています。株価に関して、株主・投資家との積極的な対話を行うとともに、中長期的な成長戦略の発信や、開示情報の更なる充実を通じて、当社の成長性が市場から適正かつ十分に評価されることに努めています。
- 当社は「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」(適合計画書)を開示以降、2026年3月期の資本効率性目標の設定ならびに資本配分方針に基づく資本効率と成長性を重視した投資や株主還元の向上の方針等を示し、資本コストや株価を強く意識した経営に取り組んでいる
- 利益成長×資本生産性向上を実現し企業価値を向上
利益成長 |
収益性の向上 |
◼ 市場の成長機会を捉えて、複合的な価値提供による戦略を追求、中長期スパンで利益率を段階的に向上 ◼ 中期のスパンで高い利益を獲得する分野へ経営リソースを集中的に投下し、利益基盤を底上げ |
トップラインの成長 |
◼ 戦略領域への投資を加速、事業(売上高)を成長 |
|
人財投資 |
◼ 中長期人財マネジメント戦略の策定・実行 - グループ人的資本の可視化 - 経営人財(キャリア型人財)、グローバル人財、営業人財、高度専門人財の採用・人財開発策 - エンゲージメント向上策 |
|
資本生産性向上 |
事業投資・設備投資 |
◼ 成長投資への資本配分:投資枠を150億円へ拡大 ◼ 総資産回転率、財務レバレッジ(有利子負債活用)などの資本効率を意識し、積極的な投資を実行 |
株主還元 |
◼ 資本効率性を意識した株主還元方針(総還元性向100%) ◼ 機関投資家との対話関係づくりや各種IRツールを通じた情報発信強化注力 |
2024年3月期実績 |
2026年3月期 重要成果指標・目標値*1 |
|
売上高 |
901億円 |
1,100億円 |
建材セグメント |
580億円 |
700億円 |
産業資材セグメント |
171億円 |
200億円 |
電子・デバイスセグメント |
147億円 |
200億円 |
営業利益 |
17.4億円 |
26億円 |
親会社株主に帰属する当期純利益 |
48.3億円 |
19億円 |
ROE |
22.4% |
8%以上 |
ROIC |
4.2% |
6%以上 |
総還元性向 |
40.4% |
100% |
戦略的投資枠 |
98億円 |
150億円 |
*1 参考資料
中期経営計画サステナV(バリュー)における株主還元方針の変更 2024年8月8日開示
中期経営計画サステナV(バリュー)更新版 2024年3月期~2026年3月期 2023年12月14日開示
◼ 資本効率の状況(2024年3月期について)
◇ 当期純利益 |
資本効率を鑑み、賃貸不動産、投資有価証券等を売却。当期純利益は前期比204.8%増加。 |
◇ ROE |
当期純利益の増加と財務レバレッジの上昇に伴い、ROEは前期比14.1%増加。 ROEは株主資本コストを大幅に上回る。 (エクイティスプレッド16.7%) |
◇ ROIC |
当期純利益が前年度比で大幅に増加したことで投下資本が膨らんだ結果、ROICは前期比0.8%低下。 ROICはWACCを下回る(EVAスプレッド▲0.3%)。 当社株式時価総額が増加し、株主資本の割合が有利子負債に対して高まったためWACCは上昇。 |
※2024年3月期は不動産売却によるアセットアロケーションの見直しを実行したことで、4,773百万円の固定資産売却益を計上しているため、当期純利益、自己資本、ROEともに大幅に増加している。
指標 |
単位 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
2024年3月期 |
|
ROE |
ROE |
% |
5.9 |
7.2 |
8.3 |
22.4 |
当期純利益 |
百万円 |
1,000 |
1,296 |
1,585 |
4,832 |
|
自己資本 |
百万円 |
16,930 |
17,965 |
19,008 |
21,559 |
|
ROIC |
% |
5.1 |
5.2 |
5.0 |
4.2 |
|
資本コスト |
株式資本コスト |
% |
5.9 |
6.2 |
5.6 |
5.7 |
WACC |
% |
4.4 |
4.0 |
3.9 |
4.5 |
- 中期経営計画の基本方針に基づく取組みを着実に実行した結果、当社PBRは上昇傾向
- 当社PBRは1.0倍を割れていることから、市場の期待リターンとの間に乖離がある状況認識のもと、利益成長施策、資本生産性向上施策に取り組む
◼ PBRの状況
◇ 株式時価総額 |
2024年3月期は通期最終利益の大幅な上方修正、利益増に伴う配当の増加、大規模な自己株式取得等の結果、当社株価は底堅く推移し、株式時価総額は上昇傾向。 |
◇ PBR |
PBRは1.0倍の水準を下回っており、市場の期待リターンには達していない状況と認識。 |
単位 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
2024年3月期 |
|
PBR |
倍 |
0.46 |
0.55 |
0.67 |
0.94 |
株式時価総額 |
百万円 |
8,011 |
10,122 |
12,998 |
22,078 |
純資産 |
百万円 |
17,454 |
18,477 |
19,539 |
23,578 |
- 中期経営計画 最終年度(2026年3月期)の目標 ROE 8.0%以上、目標 ROIC 6.0%以上の達成
- PBR向上のため、中期経営計画の基本方針に基づく取組みを着実に実行し、利益成長と資本生産性向上を図り、企業価値の向上に努める
PMIの実行およびモニタリング
- 実施した主な3件のM&AのPMI施策を早期に実行および適切なモニタリングにより、投資回収の早期化およびグループ利益の底上げ
戦略領域への新規投資(M&Aや新規事業、工場・設備投資、人財投資等)
- 投資枠を拡大し、資本配分方針に基づく資本効率と成長性を重視した新たな投資を実行
産業資材事業の再編
- 当社産業資材事業の子会社化やグループ会社の再編等を通じた、産業資材事業の成長性、資本収益性向上
成長と株主還元の両立
- 連結配当性向80%以上、総還元性向100%の方針(含む自己株式の取得・消却)に基づく株主還元実施
外国人投資家、個人投資家への情報発信強化、株主との対話
- 投資家イベントへの出展、投資家向けマスメディア活用による認知度向上の取組みを通じ、投資家コミュニケーション機会の拡大
政策保有株式の縮減
- 純資産比率10.0%未満の水準に向けての縮減
戦略的投資実行
戦略的投資枠設定期間(22年3月期~26年3月期)における実績
◇M&A グループ会社におけるM&Aを含む |
●岩水開発㈱ を連結子会社化 地盤改良工事機能の獲得により、折込・加工・物流・施工等の機能を当社グループでワンストップ提供 ●上記含め、主に3件のM&Aを実施 |
◇資本業務提携 |
●㈱DGキャピタルグループへの出資、㈱DG Takashimaの設立 デジタルグリッド技術による再生可能エネルギーの高度な普及 |
◇人財投資 |
●中途人材の積極採用、戦力化 ●エンゲージメントサーベイ実施、向上策の策定・実施 |
ゼロカーボンアイランドおきのえらぶ事業に関する包括連携協定
鹿児島県知名町×株式会社えらぶゆり電力×高島株式会社
戦略的投資実行
- 150億円へと拡大した投資枠に対して、2024年3月期までで98億円の投資を実行済み。
外部資金(有利子負債など)の積極活用やアセットアロケーションによるキャッシュを活用し、積極的な投資を継続。
実績(2022年3月期~2024年3月期) |
||
M&A |
74.5億円 |
主に3件のM&A(新エネルギー流通システム株式会社、株式会社信防エディックス、岩水開発株式会社) M&A検討コスト |
工場・設備 |
14.4億円 |
自社工場及び設備の維持更新・増強投資 |
人財・IT他 |
9.5億円 |
採用/研修、基幹システム刷新、IR強化など |
実行済額 |
98.4億円 |
積極的な株主還元
- 連結配当性向80%以上、総還元性向100%の方針(含む自己株式の取得・消却)に基づく株主還元
株主価値を意識し、2025年3月期~2026年3月期はこれまで以上に積極的な株主還元を実施
2023年10月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を実施。
分割前の1株あたり配当金額は、2020年3月期に当該株式分割が行われたと仮定した金額を記載。
外国人投資家、個人投資家への情報発信強化、株主との対話
- 投資家イベントへの出展、投資家向けマスメディア活用による認知度向上の取組みを通じ、投資家コミュニケーション機会を拡大
IR戦略
政策保有株式の縮減
- 4銘柄(金融株)の売却を実施
金融機関株式は2024年3月期ですべて売却済
政策保有株式 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
2024年3月期 |
|
非上場株式以外の株式 |
銘柄数 |
18 |
18 |
18 |
14 |
貸借対照表計上額(百万円) |
2,936 |
2,697 |
2,462 |
2,629 |
|
非上場株式 |
銘柄数 |
22 |
22 |
20 |
21 |
貸借対照表計上額(百万円) |
147 |
147 |
137 |
187 |
資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応
PBR向上のため、中期経営計画の基本方針に基づく取組みを着実に実行し、利益成長と資本生産性向上を図り、企業価値の向上に努めていきます。
中期経営計画 最終年度(2026年3月期)にROE8.0%以上、ROIC6.0%以上を目標にしています。
詳細は、4.資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応(p32~)に記載しています。
- 中期経営計画 サステナV(バリュー) 更新版 2024年3月期-2026年3月期 (7,357KB)